ポスト・レジデンス

レジデンスプログラム募集終了
ヴィラ九条山は、レジデンス終了後も5年間にわたり、レジデントへのサポートを継続しています。
ポスト・レジデンスを設ける理由
ポスト・レジデンスの意義
ヴィラ九条山での滞在は4か月から6か月ですが、リサーチ活動は長期にわたる可能性があります。そのため、ヴィラ九条山ではレジデンス終了後も5年間にわたり、レジデントへのサポートを継続しています。ヴィラ九条山の持つパートナーネットワークを最大限に活用しながら、レジデントがプロジェクトを継続し、日本、フランス、そして世界に向けて発信できるよう支援しています。
ポスト・レジデンスは、レジデント自身が提案するプロジェクトに基づいて進められます。ヴィラ九条山では、提案されたプロジェクトの展望と、それが元々のリサーチプロジェクトとどのように結びついているかを考慮しサポートを行っています。
日本でのポスト・レジデンス
ヴィラ九条山では、再来日を含め、さまざまな形でポスト・レジデンスを行うことができます。
これは、レジデントがプロジェクトの継続、ヴィラ九条山滞在中に進めたリサーチ活動やコラボレーションの深化、あるいは日本で出会った人々との交流を深めるための機会となります。一部のレジデントにとって、再来日して行うポスト・レジデンスは、作品制作や幅広い層に向けた発表・発信を通したリサーチ活動の継続を意味します。
再度ヴィラ九条山に滞在することも可能で、その際は施設の利用状況に応じてスタジオが割り当てられます。また、ヴィラ九条山のパートナーである三谷文化芸術保護情報発信事業財団の金澤町家や金沢美術工芸大学など、その他の日本のレジデンスに滞在する選択肢もあります。これにより、再び日本に滞在しながら、新たな環境で創作活動に打ち込むことができます。
さらに、ヴィラ九条山では、それぞれのポスト・レジデンス・プロジェクトに合わせて、経済的支援や創作活動を支える具体的な支援(視察計画やアーティストや職人の紹介など)を行っています。
フランスでのポスト・レジデンス
レジデントのフランス帰国に際し、日本での研究プロジェクトの進捗や展望について話し合うポスト・レジデンス・ミーティングの場が設けられます。個別のサポート体制が充実しているため、日本で行ったリサーチ活動や作品制作を継続できるようパートナー機関でレジデントとして受け入れてもらうなど、さまざまな機会に触れることができます。
レジデントは、ヴィラ九条山滞在中に生まれたプロジェクトを、展示会、講演会、パフォーマンス、上映会といったさまざまな場で発表する機会を得られます。また状況によっては、リサーチ活動の成果であるプロジェクトの普及を目指した制作費の共同出資支援を受けられる場合があります。
互恵の精神に基づき、フランス帰国後も一部のレジデント間のコラボレーションが続くこともあります。
また、ヴィラ九条山は、ヴィラ・メディチ(在ローマ・フランス・アカデミー)、マドリードのカサ・デ・ヴェラスケス、米国のヴィラ・アルベルティーヌと共に、¡ Viva Villa !のネットワークに名を連ねています。2016年に発足したこのネットワークは、毎年10月にパリのゲテ・リリックで交流会、そして多様な分野が交わるプログラムを開催しています。フランスの文化団体向けに総額20万ユーロの制作支援基金を拠出しており、フランス国外にある4つのヴィラに滞在経験のあるレジデントがこのプログラムに参加しています。
2024−2025年度は13のプロジェクトが選出され、そのうち8つはヴィラ九条山に滞在したレジデントが関わっています。
プロジェクト
関西日仏学館照明制作
セリーヌ・ライト(2021年度、工芸)
セリーヌ・ライトは滞在期間中に得た経験やリサーチを活用しプロジェクトを継続するため、11月15日から12月15日まで再び来日する予定です。レジデンスにおいて学んだ、和紙に関する知識を用い、関西日仏学館が運営するカフェ「Les Deux Garçons」の新しい照明を制作します。

作品
DIAPO誌
マクシーム・マティアス(2024年度、デザイン)
DIAPO誌は写真における時間性を問い直す編集プロジェクトです。時代を超えて若手写真家の視点を通してスライド(ポジフィルム)に関心を寄せることを目指しています。アーカイブ、未発表あるいは再発表された写真、忘れられた写真にも注目しています。各号では、写真作品とそれに共鳴する文章を掲載していますが、文章は写真の見方に影響を与える一方で、決まった解釈を押し付けることはありません。DIAPO誌第3号と第4号では、日本人写真家の濱本奏と山谷祐介作品が特集されています。
La jeune femme et la mer
Catherine Meurisse (2018, bande dessinée)
カトリーヌ・ムリスは、インスピレーションを取り戻すために、京都のアーティスト・レジデンス「ヴィラ九条山」で数ヶ月を過ごした。そして1年後、彼女は再び日本を滞在するが台風による被害を目の当たりにする。奇跡と破壊を繰り返す自然というテーマで『LA JEUNE FEMME ET LA MER』が描かれた。
