12 9月 ウラ・フォン・ブランデンブルク Ulla Von Brandenburg
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ウラ・フォン・ブランデンブルクはノジャン=ラルトー(フランス)とカールスルーエ(ドイツ)で暮らし、仕事をしています。同世代の中でも国際的に最も影響力があり、最も認知度の高いアーティストの一人となっており、パレ・ド・トーキョー(パリ)、ウィーンのセセッション館(分離派会館)、ハノーファー美術協会、ザ・パワー・プラント現代美術ギャラリー(トロント)、オーフス現代美術館、イエーニッシュ美術館(ヴェヴェイ)、ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)やボン美術館などで重要な個展を開催し、ヴェネチア・ビエンナール、シドニー・ビエンナーレやメルボルンの2023年度ビクトリア国立美術館トリエンナーレなどの数多くの国際展にも参加しています。2023年には、マドリードのソフィア王妃芸術センターの分館「クリスタル宮殿」で、2024年にはマイアミ・ビーチにある現代美術館「バス美術館」で個展を開催の予定。ウラ・フォン・ブランデンブルクの作品は、ロンドンのテート・モダン、パリのポンピドゥー・センター、ハンブルグ美術館、シュトゥットガルト州立美術館、エルサレムのイスラエル博物館、トリノ市立近現代美術館(GAM)やルクセンブルク近代美術館(Mudam)などのパブリックコレクションに収蔵されています。
ウラ・フォン・ブランデンブルクの仕事は支持体とメディアの多様性を特徴としており(インスタレーション、映像、水彩画、壁画、コラージュ、パフォーマンスなど)、こうした要素は互いに呼応し、展示空間に応じて演出が施されます。空間演出の原則を完璧に身につけ、文学、美術・建築史だけでなく、精神分析、交霊術や魔術にも造詣の深い彼女は、秘教の儀式や民間祭祀と同様に演劇のメカニズムや規範からの借用を行うことで、私たちの社会構造の構築を探究します。様々な民衆的伝統に属する仮面、衣装、舞台装置やアクセサリーにより、規範や序列を象徴的に超越し、演劇的な演出において、現実と見せかけを巧妙に混ぜ合わせています。
影とテキスタイル
ヴィラ九条山のレジデント・アーティストとして、ウラ・フォン・ブランデンブルクは 自らの住まい方を見直すため、モノの命を深く突き詰めたいと考えています。そのため、京都の環境に息づくモノの形態と有り様を、そうしたモノが自らの存在の延長として生み出し、投影し、創り出す影を捉えることで記録したいと考えています。そして、モチーフとしてのこうした影を(友禅、BORO[襤褸]など)テキスタイルに関するリサーチの中に再投入することが考えられています。
Crédits photos :
– Portrait: Jan Norhoff
– Courtesy of the artist and Meyer Riegger, Berlin/Karlsruhe; Produzentengalerie Hamburg, Hamburg; Galerie Art: Concept, Paris; Pilar Corrias, London
– Vue de l’exposition « Le Milieu est bleu » d’Ulla von Brandenburg, Palais de Tokyo (21.02 – 17.05.2020) Photo : Aurélien Mole
– Ulla von Brandenburg Kunstmuseum Bonn 2018 © David Ertl und Kunstmuseum Bonn
– Brandenburg exhibition view Ulla von Brandenburg_Drinnen ist nicht Draußen_ Kunstverein Hannover, 2014 photo Raimund Zakowski