26 12月 ブレーズ・ペラン Blaise Perrin
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リュミエール・リヨン第2大学で「映画・視聴覚メディア研究」専攻の修士号を取得した後、ブレーズ・ペランは2006年にアルル国立高等写真学院に入学。
同学院を卒業した2009年には、芸術アカデミーの審査に合格し、マドリッドのカサ・デ・ヴェラスケスで2年間のレジデンスを実施。この滞在中には、2つの写真シリーズを制作しました。そのひとつが、元修道士フスト・ガジェゴ・マルティネスによる大聖堂建設を取り上げた『L’Ouvrage/建造物』(La Fabrica社、2019年)。
『 La Ronde/パトロール』と題されたドキュメンタリー映画第1作は、茂幸雄という日本人を取り上げたもの。定年退職したこの元警察官は、15年前から、救うべき命を探して、日本で自殺者の数が2番目に多い東尋坊の断崖を見回っています。
ブレーズ・ペランの写真とドキュメンタリー映画を巡る活動は、辺鄙で、見捨てられた、時代遅れな場所(石切場、廃村、建設中の大聖堂など)を舞台とし、並外れた計画に身を捧げる《規格外》の人物から着想を得ています。
東尋坊のあと
ヴィラ九条山でのレジデンス中のプロジェクトでは、苦悩する人たちに向き合う茂幸雄の取り組みを追い続けます。
しかし、今回取り上げられるのは東尋坊ではなく、こうした人たちの再生の場。『東尋坊のあと』は前作『パトロール』の延長線上にあり、必然的な続編となっています。この新作ドキュメンタリーでは、ブレーズ・ペランは命を救われ、死へと向かったあと再生へと向かう自らの経歴をカメラの前で語ることを承諾した人たちに発言する機会を与え、その声と表情を明らかにします。
2部作のこの第2章は、収録された証言の多様性を通して、現代社会で生きることの難しさや、自殺願望と再生の道程について考える材料を提供するものとなります。