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ヴィラ九条山 x ニュイ・ブランシュKYOTO 2025

ニュイ・ブランシュ
2025/09/27 
 2025/10/03
ヴィラ九条山

日時

2025/09/27 ~ 2025/10/03

会場

ヴィラ九条山
〒607-8492 京都市山科区日ノ岡夷谷町17-22


入場無料
ヴィラは9月28日(日)休館します


9月27日(土)14:00-21:00

プログラムは変更の可能性がありますので、ご了承ください。
本ページで詳細や時間などをご確認ください。

ヴィラ九条山、その近隣には駐車場はございませんのでご注意ください。
駐輪所は、ヴィラ九条山の前にあります。

 

14:00‑19:00 ‒ スタジオ
アガタ・シャルネ、マーク・ジェフリオー、モナ・オレン、ヴァンサン・トゥセアンレスおよびテオ・ムザール & マリーヌ・ロワによるオープンスタジオ

15:00‑16:00 ‒ 講堂
「熊本でのレジデンス」:クリコー・クーシアンによる講演

16:00‑17:00 ‒ サロン
ヴァンサン・トゥセ=アンレスによるプリントゴッコワークショップ(仏・英・日)

17:30‑18:15 ‒ 講堂
「通勤者族」アルバムリリースコンサート:クリコー・クーシアンと空間現代ドラマーの 山田英晶氏

20:00‑21:00 ‒ サロン
クリコー・クーシアンによるライブセット

TOROカフェの出店いただきます!


9月29日(月)14:00-18:00

14:00‑18:00 – 講堂
映画上映:

・14:00「Ce que la Villa m’a fait」(ヴィラ九条山に与えたこと)(2025年、55分)
・16:00「Seules à Kyoto(2024年、25分)/ジュリー・ヴァシェ

・18:00「Kekkai(2025年、17分)/ウラ・フォン・ブランデンブルク

14:00‑18:00 ‒ スタジオ3
「オープンスタジオ」: マーク・ジェフリオーによるインスタレーション


9月30日(火)14:00-18:00

14:00‑18:00 ‒ 講堂
マグローヌ・ヴィダルによるワークショップ

14:00‑18:00 ‒ スタジオ3
「オープンスタジオ」: マーク・ジェフリオーによるインスタレーション


10月1日(水)14:00-18:00

14:00‑15:00 ‒ 講堂
Ce que la Villa m’a fait」(ヴィラ九条山に与えたこと)映画上映

15:00‑17:00 ‒ 講堂
「若狭でのレジデンス:田辺邸に住む」:テオ・ムザール & マリーヌ・ロワイエによる講演

14:00‑18:00 ‒ スタジオ3 & スタジオ6
「オープンスタジオ」: マーク・ジェフリオーによるインスタレーション

テオ・ムザール & マリーヌ・ロワイエによるオープンスタジオ


10月2日(木)14:00-21:00

14:00‑19:00 ‒ スタジオ・サロン
グレゴアール・シャレール & ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト、アガタ・シャルネ、マーク・ジェフリオー、モナ・オレン、テオ・ムザール & マリーヌ・ロワイエおよびロールリーヌ・ガリオによるオープンスタジオ

15:00‑16:30 ‒ 講堂
ニコラ・ピノン & 漆職人堤卓也氏による講演、およびフィリックス・マリエ監督による 「Asa(麻」 映像作品上映(ニコラ・ピノン & ディミトリ・リンカのヴィラ九条山でのレジデンスについて)

17:00‑17:30 ‒
FAIRE FAMILLE.S ‒ 1:アガタ・シャルネ with 有吉玲氏、ジュリア・デ・シア、ヴェルジル・L・ルクレールによる演劇・音楽パフォーマンス

18:00‑18:15 ‒ テラス
マーク・ジェフリオーによる映像作品「Kujoyama sur mer(海辺の九条山)

19:00‑19:15 ‒ サロン
グレゴアール・シャレール & ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥストによる映像作品「 #3 – The Final Love

19:30〜21:00 – テラス
レセプション

15時~19時まで、TOROカフェの出店いただきます!


10月3日(金)14:00-18:00

14:00‑18:00 ‒ スタジオ3
「オープンスタジオ」: マーク・ジェフリオーによるインスタレーション

15:00‑15:30 / 17:00‑17:30 ‒ 講堂
Matter & Body #5:ニナ・フラデ、樋口碧氏、大歳芽里氏、サガー・パテル、武田真彦邸/コラボレーション: 今西紅雪

 

 

 


9月27日 (土) -10月3日 (金)まで

映像作品ループ上映:モア・オレンによる「Eclat」と ヴァンサン・トゥセ=アンレスによる「パラパラ」


プロジェクト

アガタ・シャルネ(2025年度, 演劇)

 

「干物女:この世界に何をもたらせるのか」

 

アガタ・シャルネはプロジェクトは、「21世紀初頭のフランスと日本における家庭を持つ/持たない選択」の意味を、繊細で緻密な人物描写を通して、対象を比較・考察する作品です。本プロジェクトは、フェミニズム研究、とくにスタンドポイント理論の視点から、フランスの社会背景を踏まえつつ、女性やLGBTQ+の人々の権利に関する運動や、創作の場におけるジェンダーの問題を考察します。統計的に共通点が多くても、文化的背景の異なる多様な人生経験をつなぐことで、フィールドインタビューでの対話や、そこに生まれる矛盾、言葉のやりとり、さらに多様な人々を対象としたアトリエ・ラボでの身体表現にも注目します。本プロジェクトでは、日本とフランスの両国で演じられる作品を執筆すること、そして、環境に配慮しつつ日本の舞台で放映することを目的としています。

 

グレゴアール・シャレール & ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト (2025年度, ダンス)

 

Love to Death

 

「Love to Death」は、三島由紀夫が1966年に制作した唯一の映画『憂国』を基にしているリサーチです。能舞台の密室劇で、三島自身が、クーデターの失敗を受けて切腹を選ぶ中尉を演じ、その死に際して妻が共に果てる。ダリュスとグレゴワールのプロジェクトは、映画の構造に沿った5つのパフォーマンスの連作として展開されます。それは映画のストーリーを再現することではなく、死の表象をめぐるパフォーマンスとして考えられています。『憂国』のフォトグラムを振付の型とした連作パフォーマンスは、滞在中に学んだダンス、写真、金工、文章、テキスタイル、映像、衣装、舞踏など多様な表現手段を駆使し、イメージの具現化を追求する過程で生まれる独自の存在感の濃密さを探求している。

ヴァンサン・トゥセ=アンレス (2025年度, デザイン)

 

モノガタリ

 

ヴァンサンは日本のアート出版物全般を探求し、その手法、ノウハウ、技術的特徴、美学、概念、そして現代における表現のあり方に興味を持ちます。日本で活動を行うことで、現地の出版関係者との出会いや交流を通して、彼らの知識を学ぶことを目的としています。さらに、日本のアート出版界がいかに革新的で、豊かな伝統と卓越した職人技を有しているか、そして現代アートシーンにおけるその驚くべきバイタリティを、より多くの人に伝えることを目指しています。リサーチ後は、常に進化している出版界の中で新しいモデルを提案したいと考えています。

モナ・オレン (2025年度, 工芸)

 

 

櫨蝋(ハゼロウ)という名の宝物

 

モナ・オレンの作品は、感情、記憶、そして無常との関係性を探求するものであり、彼女の繊細な感性を映し出す素材——白蝋を通して展開されています。彼女にとって白蝋は、単なる素材ではなく、生きている存在です。2022年に日本の「ハゼ蝋」と出会ったことをきっかけに、その特異な性質を彫刻として引き出すための多くの実験を重ねてきました。その他にも、米ぬか蝋、和紙、墨など、日本独自の素材にも関心を広げ、さらなる探究を続けようとしています。これらの探究から生まれる作品群は、創作の過程そのものに宿る詩情を浮かび上がらせることでしょう。

 

 

テオ・ムザール & マリーヌ・ロワイエ (2025年度, 建築/景観設計/都市計画)

 

「その後」の建築 ― 日本の農村における災害と向き合うケアと修復:資源から場所へ、風景からモノへ

 

2011年の三重災害以降、「ケア」や「修復」といったテーマは、日本の一部の建築家やデザイナーの実践を再構築する契機となっているように見受けられます。エコロジカルな方向転換が求められる現代において、新築による建設が最適な選択とは限らなくなった中、建築という職能のあり方を再考することが急務となっています。

そのためには、地域コミュニティを積極的に巻き込みながら、公共空間の変容を目指すより持続可能で慎ましい戦略を探る必要があります。こうした取り組みは、日本だけでなくヨーロッパにおいても見られ、現場での直接的な関与、協働的な手法の活用、そして変化する土地に根ざした資源や技術への新たなまなざしによって実現されています。

 

 

マーク・ジェフリオー

環境に優しくエコな日本家屋

マーク・ジェフリオーは、彫刻、写真、映像、パフォーマンスなど多様な表現手法を用いて活動しています。レジデンスの最初の数ヶ月間、 空き家となった町家や、木材需要の 減少による森林環境の変化をリサーチしていましたが、現在は「プロジェクト」という枠組みから離れ、偶然や出会いに身を委ねるようになりました。その中で、彼が最も関心を寄せているのは、日本のあらゆる場面で見られる「人や物への丁寧な配慮」で、彼自身もその一端を体験してみたいと考えています。現在マークが考えているのは、意図を決めずに、アイデアの季節性に身をまかせて、そして運が良ければ、いくつかの「偶然の彫刻」に出会えることです。

 

クリコー・クーシアン

 

ヴィラ九条山は、熊本市とエクス=アン=プロヴァンス市の姉妹都市提携の一環として、ヴィラ九条山レジデントが熊本でのリサーチを行い、エクス=アン=プロヴァンスで成果を発表することができるポスト・レジデンス・プログラムを設立しました。

2025年9月~10月※に熊本での滞在中、クリコー・クーシアンは地域でのフィールドレコーディングを行い、熊本市立白川小学校でシンセサイザーのワークショップを開催し、福岡で九州の電子音楽家コミュニティとともに即興コンサートにも参加しました。「ニュイ・ブランシュKYOTO」では、レジデンスでの経験を振り返り、さらに、京都にある「外」の運営者であり、バンド空間現代のドラマーでもある 山田英晶とのデュオによる即興パフォーマンスを披露します。このパフォーマンスは、ダブとノーウェーブの境界にあるアルバム『COMMUTERS』にインスパイアされています。

その後、クリコーは11月に1週間、エクス=アン=プロヴァンスでレジデンスを行います。ヴァザルリ財団を舞台に、成果発表のパフォーマンスを実施し、美術学校の学生たちとのワークショップも行う予定です。

※ 1992 年に熊本市在住能楽師・狩野琇鵬(かの しゅうほう)氏がエクサンプロヴァンス市に総檜の能舞台を寄贈したことを契機として、民間・行政双方のレベルで、交流が続いてきました。

 

 

ニナ・フラデ

 

工芸、ダンス、音楽、デジタルアートが交わる場において、『Matter & Body』は、生きているものと無生ものとの対話を表します。編まれた木の彫刻と二人の身体との出会いを中心に構成されたこのパフォーマンスは、舞台上および舞台裏のすべてのパフォーマーがリアルタイムで調和しながら創り上げる作品です。

グラフィックタブレットで描かれたドローイングは、デジタル映像へと変換され、舞台に投影されます。それは、ダンサーたちを導く光となり、また音響風景によって生成される音楽の周波数に合わせて、彼女たちの動きの知覚を変化させます。

各表現手法がライブで扱われることにより、構成と即興の間のバランスが生まれ、身体と物質が一体となっていきます。

本プロジェクトは、ニナ・フラデによる2024年のヴィラ九条山レジデンス中に開発されました。創作は2025年、笹川日仏財団、アンスティチュ・フランセ、アンスティチュ・フランセパリ本部、ベタンクールシュエーラー財団の支援を受けて継続されました。

【KYOTO EXPERIMENT 2025 フリンジ  「More Experiments」】

ロールリーヌ・ガリオ

デザイナーのロレリーヌ・ガリオは、立体的にオブジェを「描く」アーティストです。
彼女は、VRヘッドセットとコントローラーを使い、彫刻と絵画を同時に行うことで、作品を制作しています。伝統的な職人技の所作を学びながら、能面師の中村光江氏に能面の作り方を教わって、今回は能楽の演目に登場する面(おもて)を現代的に再解釈することに挑戦します。

 

ニコラ・ピノン

 

2024年秋のレジデンス期間中、ディミトリー・リンカとニコラ・ピノンは、日本の職人たちとの交流を通じて、植物繊維と天然漆(うるし)を組み合わせた素材の活用についてリサーチを行いました。彼らの取り組みは、デザインと工芸における複数のリサーチ軸を探求するものであり、これらの素材の組み合わせによって生まれる可能性を示す一連の作品の制作を目指しています。

 

マグローヌ・ヴィダル

 

ワークショップ 「共に作る」

 

声、身体、言葉、あるいは楽器を通して「出会いのアート」である即興を共有することは、いくつもの問いを投げかけます。他者とどのように関わっていけばよいのでしょうか?舞台上で「いま・ここ」において、共通の言語を共に築いていくにはどうすればよいのでしょうか?また、自分自身の技術を活かしながら、書くことを中心とした学びから、即興的な話し言葉や現代的な表現へとどう移行していけるのでしょうか?そして、自分の持つ声や体、音の個性をどう見つけ、ソロでもグループでも育てていけるのでしょうか?


Crédit

Visuel : La nuit les esprits dansent @Darius Dolatyari-Dolatdoust (2025, danse)