毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ! 2025年11月6日のプログラム

日時
2025/11/06
14:00-21:00
会場
ヴィラ九条山
〒607-8492 京都市山科区日ノ岡夷谷町17-22
入場無料
プログラム
14:00〜18:00 – スタジオ
ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト&グレゴアール・シャレール、アガタ・シャルネ、マーク・ジェフリオー、モナ・オレン、ヴァンサン・トュセ=アンレス、テオ・ムザール&マリーヌ・ロワイエによるオープンスタジオ
16:00〜16:15 – サロン
ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト&グレゴアール・シャレールによるパフォーマンスとアルミへのシルクスクリーン印刷「#2 – ザ・リターン」
16:45〜17:00 – 外庭
ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト&グレゴアール・シャレールによるパフォーマンスとテキスタイル作品「#1 – レイコ」
17:00 – テラス
マーク・ジェフリオーによる映像作品「Kujoyama sur mer(海辺の九条山)」上映(仏・日)
17:30〜18:00 – 入り口のホール・講堂
アガタ・シャルネ演出によるパフォーマンス『Faire Famille.s(2):蓮の花以外、私の腹からは何も育たない』
出演:大歳芽里、黒木陽子、モナ・オレンの作品
(仏・英・日字幕付き)
18:30〜20:00 – 講堂
テオ・ムザール&マリーヌ・ロワイエによる講演(英語)
『災害に向き合う:日本のコミュニティデザインにおける新たな物語』
(ゲスト:金野 千恵(建築家・Teco主宰)、萩野紀一郎(建築家・富山大学准教授)
20:00〜21:00 – サロン
レセプション
当日15時~19時まで、TOROカフェ にご出店いただきます!
プロジェクト
モナ・オレン(2025年、工芸)
櫨蝋(ハゼロウ)という名の宝物
モナ・オレンの作品は、感情、記憶、そして無常との関係性を探求するものであり、彼女の繊細な感性を映し出す素材——白蝋を通して展開されています。彼女にとって白蝋は、単なる素材ではなく、生きている存在です。2022年に日本の「ハゼ蝋」と出会ったことをきっかけに、その特異な性質を彫刻として引き出すための多くの実験を重ねてきました。その他にも、米ぬか蝋、和紙、墨など、日本独自の素材にも関心を広げ、さらなる探究を続けようとしています。これらの探究から生まれる作品群は、創作の過程そのものに宿る詩情を浮かび上がらせることでしょう。
アガタ・シャルネ(2025年、演劇)
「干物女:この世界に何をもたらせるのか」
作家及び演出家であるアガタ・シャルネは今年の8月から「家族をつくる(Faire Famille.s)」をテーマとしたインタビュー等を行ってきました。そのインタビューをもとに、彼女は、12月までの期間にヴィラ九条山の空間に特別に構想された3つのパフォーマンスを発表します。これらの作品は、日本語とフランス語の響きを融合させながら、ダンス、音楽、演劇、現代美術といったさまざまな芸術の「家族」を混ぜます。最初の試みであった「GO-EN ご縁, 私たちをつなぐもの」に続き、《蓮の花以外、私の腹からは何も育たない》は日本で出会った女性たちの語り、作家による未発表の詩、そして美術家モナ・オレンの作品を通して、「母になるかならないか」の課題を問いかけます。こちらの演奏ではダンスに大歳芽里氏、そして役者に黒木陽子氏と共演します。
Love to Death
「Love to Death」は、三島由紀夫が1966年に制作した唯一の映画『憂国』を基にしているリサーチです。能舞台の密室劇で、三島自身が、クーデターの失敗を受けて切腹を選ぶ中尉を演じ、その死に際して妻が共に果てる。ダリュスとグレゴワールのプロジェクトは、映画の構造に沿った5つのパフォーマンスの連作として展開されます。それは映画のストーリーを再現することではなく、死の表象をめぐるパフォーマンスとして考えられています。『憂国』のフォトグラムを振付の型とした連作パフォーマンスは、滞在中に学んだダンス、写真、金工、文章、テキスタイル、映像、衣装、舞踏など多様な表現手段を駆使し、イメージの具現化を追求する過程で生まれる独自の存在感の濃密さを探求している。
テオ・ムザール & マリーヌ・ロワイエ(2025年、建築/景観設計/都市計画)
「その後」の建築 ― 日本の農村における災害と向き合うケアと修復:資源から場所へ、風景からモノへ
2011年の三重災害以降、「ケア」や「修復」といったテーマは、日本の一部の建築家やデザイナーの実践を再構築する契機となっているように見受けられます。エコロジカルな方向転換が求められる現代において、新築による建設が最適な選択とは限らなくなった中、建築という職能のあり方を再考することが急務となっています。そのためには、地域コミュニティを積極的に巻き込みながら、公共空間の変容を目指すより持続可能で慎ましい戦略を探る必要があります。こうした取り組みは、日本だけでなくヨーロッパにおいても見られ、現場での直接的な関与、協働的な手法の活用、そして変化する土地に根ざした資源や技術への新たなまなざしによって実現されています。
マーク・ジェフリオー(2025年、造形芸術)
環境に優しくエコな日本家屋
マーク・ジェフリオーは、彫刻、写真、映像、パフォーマンスなど多様な表現手法を用いて活動しています。レジデンスの期間中、彼は解体・再組立て、あるいは部材ごとに分散させることができるという特徴をもつ、空き家となった町家に関心を寄せています。マークはまた、これらの建物の再利用や変化の可能性から、作品を部品の保存ではなく、可動性や変化によって生かすあり方を考えています。最近は、彼は特に引き戸を映画の演出の様々な使え方に注目しています。
ヴァンサン・トゥセ=アンレス(2025年、デザイン)
モノガタリ(物語)
ヴァンサン・トゥセ=アンレスは日本のアート出版物全般を探求し、その手法、ノウハウ、技術的特徴、美学、概念、そしてアーティストやデザイナーと出版との関係に興味を持ちます。日本で活動を行うことで、現地の出版関係者との出会いや交流を通して、彼らの知識を学ぶことを目的としています。さらに、日本のアート出版界がいかに革新的で、豊かな伝統と卓越した職人技を有しているか、そして現代アートシーンにおけるその驚くべきバイタリティを、より多くの人に伝えることを目指しています。リサーチ後は、常に進化している出版界の中で新しいモデルを提案したいと考えています。
クレジット
Visuel : La Villa, photo de Marine Royer (2025, architecture) d’après la projection “Kujoyama sur Mer” de Mark Geffriaud (2025, arts plastiques)