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毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ:2026年3月5日のプログラム

毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ
2026/03/05ヴィラ九条山

日時

2026/03/05

14h00-21h00

会場

ヴィラ九条山
〒607-8492 京都市山科区日ノ岡夷谷町17-22


入場無料・予約不要


プログラム

プログラムは変更の可能性がありますので、ご了承ください。
本ページで詳細や時間などをご確認ください。

ヴィラ九条山、その近隣には駐車場はございませんのでご注意ください。
駐輪所は、ヴィラ九条山の前にあります。

14:0018:00 – スタジオ
オレリー・ラノワゼレイザベル・ダエロンディアーヌ・デュフールヴィクトワール・ティエレクレール・ランジュ & ルシー・ロワによるオープンスタジオ

14:00~18:00 – ホール
サンドリーヌ・エルベルグによるリサーチの紹介
シモン・ニケーズによる作品インスタレーション「Sur le chemin des escargots カタツムリの小径」

16:30~18:00 – 講堂
シモン・ニケーズと佐家地下(サケ・アンダーグラウンド)の長慶寺健太郎によるディスカッション(日仏逐次通訳付)

18:30~20:00 – 講堂
アーティスト澤田知子とキュレーター天田万里奈による対談(英語)

20:00~21:00 – サロン
レセプション & DJ SundaeによるDJセット

 

当日15時~19時まで、TOROカフェにご出店いただきます!


レジデントのプロジェクト

時の流れを映すメニューのための、季節の瞬間をとらえるテーブルウェア

クレール・ランジュとルシー・ロワは、日本文化における四季への繊細な感性、特に季節を感じさせる食卓やテーブルウェアに関心を持っています。そこでは、一つひとつの器が、季節の瞬間や提供される料理と詩的に調和しています。
レジデンス中、彼女たちは2週間ごとに関西の料理人と出会い、その人が季節の「いま」とどのような特別な関係を結んでいるのかを探っていきます。また、各料理に合わせた器を構想する傍ら、地元の生産者や採取者を訪ね、現地の植物を観察、描写し、季節に応じた自然表現が日用品芸術(京焼の陶磁器、漆、テキスタイル等)にどのように反映されているかをリサーチする予定です。

ヴィクトワール・ティエレ(造形芸術)

Into the Fog(霧の中)

第二次世界大戦中、旧日本軍が1944年から1945年にかけて、和紙で作られてた風船爆弾を一万キロメートル以上離れた米国まで送っていました。この史実に着想を受けたヴィクトワール・ティエレは、Experiments in Art and Technology(E.A.T.)に関するリサーチを続けながら、人間国宝である和紙職人と和紙の空中での特性を確かめながら一連の彫刻作品を制作する予定です。

イザベル・ダエロン(2026年度、デザイン)

地下水

永井佳子とともに京都の地下水をリサーチし、物語化、地図化するプロジェクト『Water Callingー京都をめぐる水の地図』を経て、イザベル・ダエロンは、上水道網や帯水層などの目に見えない水とのインターフェースとなるオブジェや装置(格子、排水口、集水桝、井戸など)に関する研究をさらに発展したいと考えています。この研究は京都以外の都市へと広げ、公共空間におけるオブジェの提案につなげることを目標としています。レジデンス終盤には、都市散策を行い、その中で新たなオブジェの提案をすることを一つの可能性として考えています。日本における地下空間は、西洋におけるものとは異なる象徴的な意味を持っているため、この差異こそをイザベル・ダエロンは深めたいと思っています。

ディアーヌ・デュフール(2026年度、キュレーション)

FALLEN FROM GRACE : 戦後日本のグラフ誌に見られる欲望と違犯

日本の写真は、近年アートとして世界中から高く評価されています。しかしながら、写真が写真としての最もベーシックな役割を果たしているにもかかわらず、これまであまり注目されずに来た分野がありました。それが写真を中心に編集された刊行物です。対象は私的なものから政治的なもの、マイナーなものまで多岐にわたりました。写真家たちはそれらを通して、世の中のありとあらゆる形の欲望、暴力、違犯を表現しようとしたのです。ディアーヌ・デュフールは当時のこうした刊行物に着目し、そこから浮かび上がって来たいくつもの疑問点に踏み込みます。紙面に掲載された写真の数々が実際に語ろうとしたのは何なのか? どの権威機関がどのような過程を経て出版を認めたのか? こうした刊行物は当時どんな論争を引き起こしたのか? こうした疑問を、ディアーヌ・デュフールは東京在住のキュレーター、イヴァン・ヴァルタニアンと共に追求していきます。

オレリー・ラノワゼレ(2026年度、工芸)

儚さを永続させる

本プロジェクトは、オレリー・ラノワゼレと、大阪で『江戸時代にみる花結びの伝承 : ジェンダーの視点から』という博士論文に取り組む矢島佳子氏 との出会いに端を発します。花結びは、女性の手による伝承によってのみ存続するものであり、一種の「コデックス」のようです。プロジェクト『儚さを永続させる』は、「結ばれるために結ばれた」対象と結ぶ行為を、手と針を通して問い直すことを目的としています。出会い、滑らせる紐と手、思考、形を生み出す創作行為といった一見関係性の見えない「社会的織物」を可視化することに焦点を当てます。

シモン・ニケーズ(2024年度、造形芸術)

シモン・ニケーズは、小豆島にあるKioke Craft Revivalの醸造家とのコラボレーションを続け、発酵のプロセスとその容器をテーマに制作を行います。この繋がりは、2年間熟成された醤油入りの木桶の中に沈められた彫刻作品の制作へと発展しました。また、二年間乾燥させた後、珠洲市にて稲わらを敷いた窯で酒器のための粘土作品が焼成されました。作品は収穫されるごとに、さまざまな閑居の中で段階的に発表されてきました。今回のヴィラ九条山の一般公開では、それらは制作の過程で生まれた他の作品とともに展示されています。

サンドリーヌ・エルベルグ(2021年度、写真)

サンドリーヌ・エルベルグは、禅に通じる庭園の石をテーマにしたリサーチを継続します。ファイアンス焼きに関する制作と並行して、陶芸の焼成の歴史と技法に特化した樂美術館、そして近藤悠三記念館を訪れ、技術的・概念的な知識をさらに深める予定です。


アーティスト澤田知子とキュレーター天田万里奈による対談(英語)

写真家の澤田知子とキュレーターの天田万里奈は、ともに関西に拠点に活動していますが、2025年にヴィラ九条山のパートナーであるMaison Kochimiが実施したリサーチ・レジデンスの際にパリで出会いました。

タイポロジーおよびセルフポートレートの手法を用い、コンセプチュアルに構築された作品群を国内外で発表してきた澤田知子は、まなざしや社会的枠組みを通して形づくられるアイデンティティのあり方を探究しています。

ジェンダーの視点からアートと社会的議論を接続するキュラトリアル実践を行う天田万里奈は、AWARE(Archives of Women Artists, Research and Exhibitions)やSPECTRUMなどの文化事業を企画・実践しています。2025年にパリでのレジデンスを共にし、そこでの対話を基盤に、それぞれの実践や思考の展開について語ります。


クレジット

Visuel: Le lac Biwa, la Villa et les camélias
© Isabelle Daëron (2026, design)