グレゴリー・ローゼンブラット

プロフィール
技師学校出身のグレゴリー・ローゼンブラットは、リモージュ焼き(陶磁器)の伝統的な製法に精通しており、自身のアトリエで日々制作に励んでいます。リモージュ焼きは、鋳型を成形し、そこに泥漿を流し込み(泥漿鋳造)、泥漿が固まったら鋳型から外しエナメル質の施釉の後、二度焼きし、最終的に焼成(本焼き)してから絵付けを施すといった、非常に高度なテクニックを要します。グレゴリー・ローゼンブラットが率いるアトリエArquie(アルキエ)は、リモージュ焼の芸術的な側面を重視し、これまでも多岐にわたる作品作りに挑戦して来ました。その中には、建築に関わるクリエーション、デザインプロジェクト、制作過程の革新といった分野も含まれます。グレゴリー・ローゼンブラットが手掛ける作品は、照明、食器、彫刻、家具、装飾品などで、これらすべてに自身の持つノウハウをつぎ込み、意欲的な作品作りを行っています。グレゴリー・ローゼンブラットは、グラン・アトリエ・ド・フランス(厳選された職人集団で構成された協会)の会員としても認定されています。
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Grégory Rosenblat
プロジェクト
グレゴリー・ローゼンブラットが目指すのは、自身の卓越した技術と陶磁器の特性を存分に生かして、日本酒をさらに美味しく飲むための酒器、盃を作成することです。日本酒の専門家は日本製の陶磁器と日本酒の風味との関係をどのようにとらえているのか? こうした問いかけと自身の有するワインの知識をもとに、日本酒に最も適した盃の形状を探っていきます。
フランスと日本におけるガストロノミーでは、何が異なり、何が共通しているのか? 食器を製作する工芸人とそれを実際に使用する者との間には、どのような関わりがあるのか? 盃を作るという今回のプロジェクトにおいて、グレゴリー・ローゼンブラットは自身の思考をよりオープンにして、伝統的且つ革新的なガストロノミーの嗜好にマッチする作品制作に挑戦します。京都とリモージュという古くから知られた陶磁器生産地の技法を余すことなく享受し、アーティストが目指すのは、見た目にも美しく、加えて日本酒を美味しく嗜むことのできる盃の制作です。

Aotsugi Balustre, projet Aotsugi réalisé en collaboration avec Nicolas Leliévre et FLorian Brillet

©Ateliers Arquié