《ECHIRO》*はソルボンヌ大学のパリ凝縮系化学研究室とアトリエ・サムビオーシスの共同研究から生まれたプロジェクト。2015年にフランス国立科学研究センター(CNRS)の研究者マリー・アルベリックにより着手された研究は、ウニの骨格と棘という活用に値する資源を用いた色素抽出法の開発と、この技術をテキスタイルの持続可能な染色技法に応用することを中心としたもの。日本は世界一のウニ消費国(年間約6万トン)であることから、《ECHIRO》は繊維に関する先祖伝来の染色技法を分子生化学の最先端の研究と組み合わせることで、日本国内でふんだんに採れるウニという素材の価値を高めることを提案します。
ヴィラ九条山でのレジデンスにおいて、《ECHIRO》のリサーチの進展は、日本文化に組み入れられた消費財産業システムをうまく利用するとともに、日本の卓越した職人技を産業界に刺激を与えることのできる有力な生産手段として用いることで、仕上げ加工の新たなノウハウの展望を可能にしてくれるかもしれません。
* 棘を意味するラテン語の《Echino》と日本語の《色(Iro)》を組み合わせたかばん語。