レベッカ・トパキアン
2026/12/26

プロフィール
レベッカ・トパキアンは、哲学と地理学を学んだ後、写真へと転向し、2015年アルルの国立写真学校ENSPを卒業しました。自身の作品では、目に見えない、神話的且つ虚構的な次元におけるアイデンティティーの定義を追求しています。対象へのドキュメンタリー的アプローチと詩的なアプローチ、現実と虚構、親密的なものと政治的なもの。こうした相反する要素の間を行き来しながら、レベッカ・トパキアンはアイデンティティーにおける個人的な部分と集団的(社会的)な部分の交わる境目に注目し、その部分をさらに掘り下げていきます。もともとフランス国籍を有していましたが、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争に影響され、アルメニア国籍を取得。フランスと同時に、アルメニアのエレバンにも居を構えています。
2018年から2019年まで、シテ・アンテルナショナル・デ・ザールのレジデント。以降、その作品は数々の賞を受賞しました。
2021年フェネオン賞、2023年ADIAFエマージェンス賞を受賞。2021年Regards du Grand Paris全国写真委員会、2023年BNFフォトジャーナリズム委員会で受賞。
作品は、アルル国際美術展を始め、アニエスBギャラリー、BNF、タンジブル・ビエンナーレ、シカゴ文化センター、マガザン・ジェネロー、シテ・アンテルナショナル・デ・ザールにて展示されました。また、CNAP、BNF、パリ現代美術コレクションなど、個人及び公共の財団に作品が所蔵されています。
2021年、作品Dame Gulizar and Other Love StoriesがBUP Book 2021で受賞。2024年にはBlow Up Press社から出版もされています。
現在、レベッカ・トパキアンの作品はMAC VAL、アルベール・カーン美術館、カジノ・ ルクセンブルク、リールのWAAOで展示中。自身はアトリエ・Poushにレジデントとして滞在しています。
プロジェクト
AraratからFujiyamaまで(アルツヴィン・グレゴリアンを追って)
「アララットからフジヤマまで(アルツヴィン・グレゴリアンを追って)」は、写真と動画を併用したプロジェクトで、1963年に建築家アルツヴィン・グレゴリアンが出版したイラスト入り旅行記<De Fujiyama à Ararat(フジヤマからアララットまで)>から着想したものです。アララット山も富士山も古来より地元では神聖な山として見なされて来ました。レベッカ・トパキアンはその点に注目し、それぞれの山が、文化的な面やスピリチュアルな面でどのように周りの環境や自然に影響を与えているのかを探ります。写真やヴィデオを活用して撮影されるそれぞれの山は、景色やその本体はもちろん、細部に至るまでどちらも同じように魅惑的な姿を我々の目に焼き付けるでしょう。作品のねらいは、観客がこうした二つの山を眺め、知ることにより、世界におけるエコシステミックな関係性を想起するところにあります。