イザベル・ダエロン
2026/06/30

プロフィール
パリ国立高等工業デザイン学院とランス高等美術デザイン学院を卒業した イザベル・ダエロン は、都市やランドスケーププロジェクトの中で展開される思考をもとに、オブジェや空間、インスタレーションを構想しています。たとえば『Topiques』(2010–2024)は、水、風、光などを公共空間で活用する装置をまとめたものです。この研究は、恒久的な作品の制作に繋がりました:パリの生水ネットワークを利用した冷却装置『Aéro-Seine』(2019)やサン=トゥアンの選手村のための作品『Topique-vent : Anémochorie』(2024)などがあります。彼女のアプローチは、ドローイングや物語を基盤としており、それによって環境や資源への感覚的な理解や想像力を広がらせます。たとえば、日本人キュレーター永井佳子と共同で京都の地下水を題材としたプロジェクト『Water Calling』を制作しました。France Design Impact Award(2025)、Mondes Nouveaux(2021)、FAIRE(2018)、Audi Talents(2015) などの賞を受賞しており、多分野にわたる創作アトリエ Studio Idaë を設立しました。現在はパリの ギャラリーパヴェックに所属しています。
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Isabelle Daëron
プロジェクト
Chikasui (地下水)
京都の地下水をリサーチし、物語化、地図化するプロジェクト『Water Calling』を経て、イザベル・ダエロンは、上水道網や帯水層などの目に見えない水とのインターフェースとなるオブジェや装置(格子、排水口、集水桝、井戸など)に関する研究をさらに発展したいと考えています。
この研究は京都以外の都市へと広げ、公共空間におけるオブジェの提案につなげることを目標としています。レジデンス終盤には、都市散策を行い、その中で新たなオブジェの提案をすることを一つの可能性として考えています。
日本における地下空間は、西洋におけるものとは異なる象徴的な意味を持っているため、この差異こそをイザベル・ダエロンは深めたいと思っています。

Aéro-Seine ©Pierre L’Excellent

Water Calling, réalisé en collaboration avec Yoshiko Nagai ©Yosuke Otake