2026年1月~4月まで、林智子がアンスティチュ・フランセパリ本部 x シテ・アンテルナショナル・デザールのレジデンスプログラムに選ばれており、3か月間滞在が決まりました!
AIR プログラム・イン・パリ

林智子
AIR Program in Paris 2025/2026 受賞者
人間の意識や記憶もまた、生成しつづける自然の一部と捉え、その働きと物理的な自然環境との関係性を探るインスタレーションを制作。詩と科学、身体性と無意識の境界を往還しながら、フィールドワークをもとに、鑑賞者の言葉以前の感性を呼び覚ますことを試みる。これまでにヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)、国立国際美術館(大阪)、京都芸術センターなどで作品を発表。近年の個展に2021年《Reweaving the Rainbow》、2024年《そして、世界は泥である》。本レジデンスでは、パリの都市下に眠る湿地の記憶や無意識のレイヤーに触れるプロジェクトに取り組む予定。

Bodhisattva Pond
AIR Program in Paris について
Artist in Residence program in Paris 2024/2025は、主催機関のおおさか創造千島財団とヴィラ九条山(京都)が、アンスティチュ・フランセ、シテ・アンテルナショナル・デザール、京都芸術センターと連携して開催する二国間レジデンスプログラムです。本プログラムは、関西地方を拠点に活動しているアーティスト、リサーチャー、キュレーター1名を対象に、フランスの文化・社会・芸術シーンに触れながら活動を展開していくための支援をしています。
選出者は、上記の文化機関のサポートを受け、パリ中心部のシテ・アンテルナショナル・デザール内のスタジオで3ヶ月間のリサーチおよび制作レジデンスを行います。
応募条件
(現在応募は受け付けていません)
■採択人数
1名 ※グループでの応募不可
■滞在期間
3か月間
■対象者
・関西地方※を拠点に活動している方
・創造活動を行う方(アーティスト、キュレーター又は美術評論家)
・活動のジャンルは問いません
・国籍不問
・学生対象外(派遣日時点で修了していれば可)
※関西圏とは大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県とします。
■応募条件
・関西地方を拠点に活動している方
・パリにあるシテ・アンテルナショナル・デ・ザールを拠点として活動ができること
・英語またはフランス語でのコミュニケーションができること
・滞在終了後、大阪もしくは京都で行う報告会もしくは報告関連イベントに参加できること
■支援内容
・シテ・アンテルナショナル・デ・ザール内「スタジオ」の提供(パリ・マレ地区)
・往復エコノミー航空券(関西国際空港-シャルル・ド・ゴール空港間)
・滞在補助費および制作費 計50万円
・準備期間中と滞在中のスタッフによるサポート
前の受賞者
以下、前の受賞者のプロフィールを紹介します。
2024/2025: 日野浩志郎
日野浩志郎
音楽家、作曲家。1985年生まれ、島根県出身。現在は大阪を拠点に活動。メロディ楽器も打楽器として使い、複数拍子を組み合わせた作曲などをバンド編成で試みる「goat」や、そのノイズ/ハードコア的解釈のバンド「bonanzas」、電子音楽ソロプロジェクト「YPY」等を行う。代表的な作曲作品は「GEIST」(2018-)、「INTERDIFFUSION」(2021-)等。エストニアフィルムアワードEFTA2024にて最優秀作曲賞受賞(映画「The Invisible Fight」)。
2024/2025: 黒田健太
黒田健太
京都を拠点にダンス分野で活動し、カフェ/宿泊施設 KéFUで働く。これまでに、MuDA、Super D、HIxTO、ルサンチカ、宇野愛生、小倉笑、檜皮一彦、小嶋晶、児玉北斗、敷地理、はな×マツ、倉田翠らが手掛ける作品に携わる。‘18年より路上で出会った人とセッションし、彼らからその経験をお借りして制作活動を行う。‘22年よりセッションの回顧録を制作する『verse-paradox』を共同で運営する。
2020/2021: 梶原瑞生と松延総司
滞在期間: 2020年10月-2021年1月
主に西洋のクラシック音楽を題材にし、正確に組み立てられた楽譜を身体的経験によって破壊・再構成するという試みを通して作品を制作している。
記号を新しい情報に置き換えることへの関心から出発し、音楽を通して現代と古典を繋ぐことで、現代アートの新しい可能性を探る。
『生への復帰、あるいは』
このプロジェクトは、エクトル・ベルリオーズの代表作、通称「幻想交響曲」を出発点とする。彼は個人的な失恋の経験から着想を得て5部からなる交響曲とその続編を執筆したが、いずれも本人によって「恋人(ハリエット・スミッソン
1800-1854)」と具体的に定義されるフレーズが何度も変化して現れることが特徴である。
音を1つのモチーフと明確に同一化させるというルールが、言語の果たす役割とも非常に似ていることに着目したこのプロジェクトでは、幻想交響曲で使用される代表的なフレーズを伝言ゲームのように伝えてゆき、その変化を記録する。
それぞれが演奏するフレーズの変化は、土地や環境からなる人間一人一人の認識の違い、言語とモチーフの結びつき方の違いを反映する。
イデー・フィクスと呼ばれる手法においてベルリオーズはイデー(idea)を固定化し、音楽の持つ役割を限定した。その具象的な音楽を再び抽象化することで、音楽を超えた「人間の認識」に焦点を当てる。
主な展覧会
・KUAD ANNUAL 2020 フィールドワーク:世界の教科書としての現代アート, 2020年、東京都美術館、東京
・ ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition 新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと、ギャルリ・オーブ、京都
ウェブサイト
mizukikajiharaportfolio.tumblr.com
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滞在期間: 2021年1月-4月
穴(0次元の点)や裂目(1次元の線)のような、凹み、影、虚無、空白を表す概念を、形あるものとして2次元、3次元の空間に表出させる試みをベースとして制作活動を行う。
近年は壁紙を使ったインスタレーションや街中に石を置くプロジェクト、野外彫刻作品などを通して、サイトスペシフィックな側面を追求する。
『「地」を表現するコンセプチュアルなインスタレーション作品の研究と実践』
「地」とは、壁、床、地面など直接的な「背景」を指すこともあれば、素材、法則、習慣など「出来事の背景(プロセス)」を指すこともある。このプロジェクトでは、「図と地」でいうところの「地」をテーマに「地」を多角的に捉え直して再構築しつつ、その概念の正体に迫ることを目指す。
既存の「地」を相対化し、作品が成り立つ状況や環境を逆照射するダニエル・ビュランの表現とその多様な展開、オリジナルプリントの壁紙を使った空間構成、最先端の建築やデザインの視点からみる小規模建築に関する3つの調査を軸として、インスタレーション作品への応用を通しつつ「地」の新たな表現方法を探る。
主な展覧会
・ KYOTO ART FOR TOMORROW 2020 京都新鋭選抜展2020 – 京都文化博物館、京都
・ SEE THE SHADES 2019, Hagiwara projects, 東京
ウェブサイト
matsunobe.net
クレジット
Portrait Tomoko Hayashi : © Yuna Yagi