ホーム イベント 毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ! 2025年8月7日のプログラム

毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ! 2025年8月7日のプログラム

毎月第一木曜日はヴィラ九条山へ
2025/08/07ヴィラ九条山

日時

Le 2025/08/07

14:00-21:00

会場

ヴィラ九条山


入場無料


プログラム

プログラムは変更の可能性がありますので、ご了承ください。
本ページで詳細や時間などをご確認ください。

 

ヴィラ九条山、その近隣には駐車場はございませんのでご注意ください。
駐輪所は、ヴィラ九条山の前にあります。

 

14:00 〜 18:30 – スタジオ

グレゴアール・シャレール & ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥストアガタ・シャルネマーク・ジェフリオーモナ・オレンエミリー・ブルー & マクシーム・マリオンによるオープンスタジオ

 

14:15 〜 14:45 – 講堂

エマニュエル・ユインによる作品「unedansecontinue」の創作パフォーマンス

 

16:00 〜 17:15 – 講堂

ナッシュローザ・ファン・ヘンスベルゲンによる
「未知なる存在の楽譜:構築中のダンスレクチャー」(仏日逐次通訳付き)

 

18:30 〜 19:00 – テラス

ドミティーユ・マルタンの企画によるパフォーマンス

ダンス:大歳芽里氏、安本亜佐美、中村愛由子

音楽:クリコー・クーシアン
畳の衣装: 横山充氏とのコラボレーションによって制作

 

19:30 〜 20:00 – サロン

エミリー・ブルー & マクシーム・マリオンの招待による、かすみみたま【怪談系幽霊VTuber】による朗読配信(日本語・フランス語)

 

20:00 〜 21:00 – サロン

レセプション

 

20:30 〜 21:00 – サロン

マエル・ペノによるライブセット


プロジェクト

エミリー・ブルー & マクシーム・マリオン (2025年度, デジタル・アート)

 

moëra(モエラ

 

エミリー・ブルーとマクシーム・マリオンは、インスタレーション、ビデオ、ネットアートを通じて、デジタル技術とその社会・政治的な影響を考察しています。ヴィラ九条山でのプロジェクトでは、日本発のVTuber文化に着想を得た映像シリーズを制作します。VTuberはアバターを使って自分を表現するスタイルで、カワイイ、フェティッシュ的な要素もあり、アイデンティティやコミュニティが交差する空間を作り出します。このプロジェクトでは、VTuberとの協力や、場所の下見、ファンタジーの語りやデジタル変化に関する調査も行います。今回の一般公開では、VTuberかすみみたま氏を招き、ストリーミング配信で朗読会を開催します。

 

 

マエル・ペノ (2025年度, 音楽)

 

Mid-0シリー

 

マエル・ペノのプロジェクトは、1980年代にローランドが発売した電子楽器「Mid-0シリーズ」を取り上げ、その世界のポピュラー音楽シーンに与えた影響を探るものです。プロジェクトは、これらの楽器の登場が音楽業界に与えた革新を解明し、その設計や製造における歴史的、社会的、文化的背景を分析します。インタビューを通じて、関係者の経歴や1970〜1980年代の日本における文化的・技術的環境に焦点を当てます。最終的には、録音された声や「Mid-0シリーズ」にインスパイアされた音を使って、スティーヴ・ライヒの作曲法である「スピーチ・メロディ」を取り入れた音楽制作が行われます。

グレゴアール・シャレール & ダリュス・ドラティアリ=ドラドゥスト (2025年度, ダンス)

 

grieving(喪失感)

 

分野横断型のリサーチおよびクリエーションプロジェクト「Grieving」。本プロジェクトでは、フィールドワーク、パフォーマンス型の実験と衣装制作を通して、日本文化における「死」を演劇化することを目指しています。まず、日本の文化機関とその関係者との交流を深め、フランス帰国後に、リサーチ段階に基づいたパフォーマンスの制作に取り掛かる予定です。本プロジェクトは、暗黒舞踏と切腹などの日本文化に見る「死」の象徴とパフォーマンス、能のような衣装や故人の生まれ変わりとなるお面、そして、京都の伝統的な二つの祭りを映像として記録し、日本の祭りにおける死者の魂を呼び戻す儀式を考察する、という三つの視点からリサーチを展開していきます。

マーク・ジェフリオー (2025年度, 造形芸術)

 

環境に優しくエコな日本家屋

 

マーク・ジェフリオーは、彫刻、写真、映像、パフォーマンスなど多様な表現手法を用いて活動しています。ヴィラ九条山での滞在中では 、 京都に点在する空き家となった町家や、木材需要の 減少による森林環境の変化  についてリサーチします。彼は、余剰となった木材、修繕や解体が可能な家屋の特性からインスピレーションを得て、部品の再利用を通じて保存が可能となる作品の在り方を模索します。また、 手入れがされなくなった森から今後の活用方法についても考えます 。これらによって、人間と「自然」との関係を見直すきっかけとなり、「戻るために、いったん離れる」という新しい考え方の始まりとなります。

 

 

アガタ・シャルネ (2025年度, 演劇)

 

「干物女:この世界に何をもたらせるのか」

 

アガタ・シャルネはプロジェクトは、「21世紀初頭のフランスと日本における家庭を持つ/持たない選択」の意味を、繊細で緻密な人物描写を通して、対象を比較・考察する作品です。本プロジェクトは、フェミニズム研究、とくにスタンドポイント理論の視点から、フランスの社会背景を踏まえつつ、女性やLGBTQ+の人々の権利に関する運動や、創作の場におけるジェンダーの問題を考察します。統計的に共通点が多くても、文化的背景の異なる多様な人生経験をつなぐことで、フィールドインタビューでの対話や、そこに生まれる矛盾、言葉のやりとり、さらに多様な人々を対象としたアトリエ・ラボでの身体表現にも注目します。本プロジェクトでは、日本とフランスの両国で演じられる作品を執筆すること、そして、環境に配慮しつつ日本の舞台で放映することを目的としています。

 

 

モナ・オレン (2025年度, 工芸)

 

櫨蝋(ハゼロウ)という名の宝物

 

モナ・オレンの作品は、感情、記憶、そして無常との関係性を探求するものであり、彼女の繊細な感性を映し出す素材——白蝋を通して展開されています。彼女にとって白蝋は、単なる素材ではなく、生きている存在です。2022年に日本の「ハゼ蝋」と出会ったことをきっかけに、その特異な性質を彫刻として引き出すための多くの実験を重ねてきました。その他にも、米ぬか蝋、和紙、墨など、日本独自の素材にも関心を広げ、さらなる探究を続けようとしています。これらの探究から生まれる作品群は、創作の過程そのものに宿る詩情を浮かび上がらせることでしょう。

 

 

ドミティーユ・マルタン (2025年度, ストリートパフォーマンス)

 

変動する世界

 

ドミティーユ・マルタンは、幅広い種類の素材を使って作品を考える彫刻家、セノグラファーとパフォーマーです。レジデンスの期間中、日本の祭りにおける様々な素材として用いられる植物と、稲作の所作を模範した舞の象徴的な動きに、強い関心を寄せます。これは、人間と自然を結びつけ、古くから伝わる芸術とのつながりをより深めてくれることです。このリサーチでは、植物性の素材が持ちうる多様な状態、そしてそのお祭りを通して語られる物語に焦点を当てます。今回のイベントでは、3人のダンサーが織られた素材の表面を使ってパフォーマンスを行います。身体、空間、素材の境界があいまいになる、出現と消失のあいだを行き来する演出です。

 

 

ナッシュ (2018年度, ダンス/パフォーマンス)

 

ナッシュは2018年のヴィラ九条山でのレジデンス中に舞踏と出会いました。Nach Van Van Dance Companyを通して、彼女はクランプに由来する身体表現を、世界と自己を語る物語として展開しています。それは、固定されたアイデンティティに抗おうとする、黒人女性の身体から発せられる動きです。現在、ローザ・ヴァン・ヘンスベルゲンとのコラボレーションにより、彼女のダンスが持つ生命力を讃えるために、新たな楽譜(スコア)の書き方を模索しています。 知ることも、捉えることもできないものをどのように記譜できるのか?本能的で、内臓から湧き上がるようなその躍動を、どのようにして損なうことなく留めることができるのか。

 

 

エマニュエル・ユイン (2001年度, ダンス)

 

エマニュエル・ユインは、5人のパフォーマーと作曲家ErikMのために制作された作品「unedansecontinue(終わりのないダンス)」の創作パフォーマンスをします。この作品は2025年11月、アンジェ国立現代舞踊センターで初演される予定。 「unedansecontinue」は、ユインのダンスに深く根ざした動きの流れを探ります。それは、彼女の最初の作品『Múa』(1995年)から続く、理性の願いと、身体の本能的な衝動との境界を行き来するスタイルです。。彼女はこれまでの動きや振付の場面を再び取り入れ、それらの意味や力を見直し、今の私たちにどのように語りかけるかを問いかけます。

 

本イベントでは、写真やビデオ撮影が行われます。撮られた写真やビデオ映像は、ヴィラ九条山のウェブサイトやSNSなどで使用させていただきます。ご理解のほど、よろしくお願いします。

当日、TOROカフェの出店いただきます!


クレジット

Visuel : Terrasse, 16h34 © Émilie Brout & Maxime Marion