フランス国立高等工業デザイン学院(ENSCI – Les Ateliers)の工業デザイン科を審査員からの高評価を得て2016年と2017年にそれぞれ卒業したサシャ・ウカルドゥとナターシャ・プトゥーは、その協力関係をデザインスタジオ《natacha & sacha》として具体化。デザインとリサーチを専門とする創意工夫に富んだスタジオは、ライフスタイルと消費行動に関する新たなニーズに応えるために構想されたもので、現在の生産方式を作り変えることになる未来の製品の探求が行われています。自分たちのスタジオを設立するに先立って、ナターシャ・プトゥーはミュンヘンのステファン・ディーツの事務所に続いてロナン&エルワン・ブルレックの事務所でデザインの修行を積んだ一方、サシャ・ウルカルドゥはクラウザー & カーペンターに続いてインテリアデザイナーのインディア・マダヴィのもとでキャリアをスタート。
こうした経験の成果として見出すことができるのが、家電製品デザインに宿っている豊かなノウハウと多様な技法。2人のデザイナーにとって問題なのは、デザインがあまりにも軽視されてきた分野にデザインを持ち込むことで、造形的なクオリティと将来のユーザーの理解を呼び覚ます想像力を通して、日常使いの製品の面目を一新させること。
2019年からパリ市の創作支援施設《アトリエ・ド・パリ》のレジデントとなった2人は、これと同じ年、パリ市創作グランプリの新人賞を獲得。こうした目覚ましい活躍は、国際見本市「メゾン&オブジェ」で新進気鋭のデザイナーに与えられる《Rising Talent》賞にノミネートされた2020年も衰えを見せていません。