グレゴワール・スカラブルの創作活動は、轆轤を回してひとつひとつ手作りされたミニチュアサイズの磁器壺を集積するという原理に基づくもの。こうした方法で創り出された大型作品は、その表面に配された無数の要素から成り立っており、秩序と混沌の領域の間で揺れ動いています。ごく小さなものから巨大なものへと移行するスケールの変化を活かした作品は自然と結びついており、秩序、混沌、極小性や無限性を表しています。
グレゴワール・スカラブルは2010年にセーヴル磁器製陶所でレジデンスを行い、その際にミニチュアサイズの壺の集積を巡る仕事に着手。2011年にはパリの装飾芸術美術館で「Astrée/アストライアー」と題された作品を発表。彼の作品はゼーヴル磁器製陶所のほか装飾芸術美術館の常設コレクションにも収蔵されています(「Sôane/ソアーヌ」2020年)。2022年には、「Ultime Métamorphose de Thétis/テティスの最後の変身」と題された作品で、ベタンクール・シューラー財団主催「手の賢さに捧げるリリアンヌ・ベタンクール賞®」の卓越した才能部門で受賞。2023年には、ロワール川沿いのショーモン城(Domaine de Chaumont-sur-Loire)での作品展に出展。