リサーチの対象となるのは、竹細工と木工家具製作との対話において、技術の感覚的なアプローチを通して、伝統技能を活用すること。竹細工は生花、茶道やテーブルアートのために繊細さと軽やかさを兼ね備えたオブジェの創作を伝統的な目的としており、別の素材でこうしたオブジェを作り出すため、竹細工の技術が転用されることになります。
編み方の可能性を極限まで突き詰めることにより目指されるのは、木工家具製作の技術的特徴を備えたボリューム感ある作品を実現し、一見したところ脆弱な構造とは相反する素材の機械的強度を明らかにすること。視覚芸術と工芸との間の境界を意図的に曖昧にすることで、こうした作品はあらゆる機能性を欠いたものとなり、技術の表現性を通して素材が感覚に訴える性質を明らかにすることになります。細い竹ひごの独特の集積により平面から立体へと移行することにより、竹細工は汚染の原因となる素材をまったく用いることなく、洗練され機能的な作品を作り出す稀な能力を備えています。
竹細工の効率の良さを無垢材の加工に移し替えることは、木工家具製作をよりエシカルな施工技術へと進化させ、貴重な資源である木材の節約にもつながります。